初期検査について

一人ひとりに合わせた
検査・治療をご提供いたします
当院では、妊娠を希望される皆さまが安心して治療に臨めるよう、お気持ちやご希望を丁寧に伺いながら、血液検査・超音波検査・ホルモン検査・診察などを行います。これらの結果をもとに、一人ひとりに適した治療方法をご提案いたします。
女性不妊の原因

卵管因子
卵管は、子宮と卵巣をつなぐ細い管であり、精子と卵子が出会う重要な場所です。この卵管に異常が生じると、妊娠の成立が難しくなることがあります。たとえば、卵管が詰まる(卵管閉塞)、細くなる(卵管狭窄)、あるいは排卵された卵子を卵管の先端(卵管采)でうまく取り込めない(ピックアップ障害)といった状態が挙げられます。これにより、卵子と精子が出会いにくくなる場合があります。卵管因子が認められた場合には、卵管鏡下卵管形成術(FT)という卵管を広げる処置や、体外受精などの高度生殖医療を検討することがあります。患者さまの状態に応じて、医師が適切な治療法をご提案いたします。

排卵障害
卵子の発育や排卵には、体内のホルモンバランスが深く関わっています。これらのホルモンをコントロールする視床下部・下垂体・卵巣のいずれかに機能的な問題がある場合、卵子の発育が妨げられ、排卵が起こりにくくなることがあります。主な原因には、視床下部機能不全、下垂体機能不全、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの疾患が挙げられます。さらに、肥満や糖尿病、耐糖能異常、甲状腺機能の異常なども、間接的に排卵に影響を与えることがあります。排卵障害が認められた場合には、ホルモン療法などを中心とした治療が検討されます。患者さまの状態に応じて、改善が期待できる治療法をご提案いたします。

卵巣予備能低下
卵子の数は、生まれたときから決まっており、加齢とともに徐々に減少していきます。この卵子の残りの数を推測する指標のひとつとして、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が用いられ、卵巣の予備能力(卵巣予備能)の目安を知ることができます。卵巣予備能がもともと高い方でも、卵巣手術や抗がん剤治療、放射線治療などの影響により、AMHの値が低下することがあります。AMHの数値が低い場合、治療のステップアップを早めに検討することがあります。

子宮内膜症
子宮内膜は、子宮の内側を覆う組織で、妊娠が成立しなかった場合には、卵巣から分泌されるエストロゲンというホルモンの影響で増殖した組織がはがれ落ち、月経として体外に排出されます。通常、子宮内膜は子宮の内側だけで発育しますが、まれに子宮以外の場所で同様の組織が発育することがあります。このような状態を子宮内膜症といいます。子宮内膜症は、発育する部位によってさまざまなタイプがあり、卵巣にできた場合は卵巣チョコレート嚢胞、子宮の筋層にできた場合は子宮腺筋症と呼ばれます。また、腹膜に子宮内膜様組織が存在する場合、癒着が生じることがあり、不妊の原因となることもあります。症状や進行の程度により、治療方法は異なりますので、医師が一人ひとりの状態に応じて丁寧にご説明いたします。

子宮因子
子宮内膜ポリープや、子宮の内側に影響を及ぼす子宮筋腫の一部は、子宮内の形状を変化させることで、着床に影響を及ぼす可能性があります。特に、漿膜下筋腫などの比較的大きな筋腫や、先天的な子宮の形態異常がある場合には、手術による治療を検討することもあります。また、生まれつき子宮が形成されていない場合や、病気などにより子宮を摘出された方の場合、ご自身の子宮で妊娠することが難しくなるケースもあります。そのような場合には、患者さまの状況に応じて、他の妊娠方法について医師と一緒に検討していくことが大切です。

原因不明
ここまで、女性不妊のさまざまな原因についてご紹介してまいりましたが、一般的な検査では明確な原因が特定されない場合もあります。このような原因不明不妊とされるケースでは、実際には複数の要因が関係している可能性も考えられます。そのため、患者さまの年齢やこれまでの治療経過をふまえながら、将来を見据えた治療方針を一緒に検討していくことが大切です。原因が明確でないからこそ、不安に感じられることも多いかと思います。当院では、そのような状況においても、できる限りご不安を軽減できるよう丁寧にサポートいたします。
不妊の原因は、ひとつだけではなく、いくつかの要因が重なっている場合も少なくありません。そのため、1つの治療方法で妊娠に至らない場合には、状況に応じて治療をステップアップしていくことが検討されます。
ステップアップのタイミングや内容は、患者さま一人ひとりのご年齢や体の状態、これまでの治療経過などをふまえて、医師より丁寧にご提案いたします。将来を見据えたうえで、納得のいく治療選択をサポートいたしますので、ご不安なことはいつでもご相談ください。
タイミング指導・
人工授精について

一般不妊検査
一般不妊検査では、血液検査・超音波検査・ホルモン検査などを通じて、不妊の原因を多角的に確認していきます。特に女性の場合は、生理周期に応じて複数のタイミングで検査を行うため、すべての項目を終えるまでに1ヵ月以上かかることもあります。検査で得られた情報をもとに、患者さま一人ひとりに適した治療方針をご提案いたします。

タイミング指導
超音波検査や必要に応じてホルモン検査を行い、排卵日を予測したうえで、その前後に合わせた性交のタイミングをご提案する方法がタイミング指導です。一般的に、排卵日の1~2日前が妊娠の可能性が高いとされており、患者さまの排卵日を的確に把握することで、自然妊娠のチャンスを高めることが期待されます。

人工授精
カテーテルを使って、運動性の高い精子を子宮内に注入する方法です。採取した精液から、元気な精子を選別して使用します。性機能の問題や性交が難しい場合、または精子の数が少ない場合などに、自然妊娠の補助として行われます。ご夫婦の状況に応じて、医師が適切なタイミングと方法をご提案いたします。
卵管外来

子宮卵管造影(HSG)
子宮卵管造影検査(HSG)は、造影剤を子宮内に注入し、X線を用いて子宮や卵管の形や通過性を確認する検査です。卵管の細さや詰まりの有無、子宮の形態などを詳しく調べることができます。検査時にX線を使用するため、頻回には行いませんが、通水検査と比べて診断精度が高く、卵管の状態を評価する上で有効とされています。当院では、必要に応じて子宮卵管造影による検査をご提案することがあります。
検査は通常、生理終了後から排卵までの期間に実施されますので、初めての方で子宮卵管造影をご希望される場合は、月経開始2~5日目頃を目安に初診予約をお取りいただくとスムーズです。

卵管鏡下卵管形成術(FT)
子宮卵管造影検査で、卵管の閉塞や狭窄が見つかった場合、卵子と精子が出会いにくくなる可能性があります。そのようなケースで選択肢となるのが、卵管鏡下卵管形成術(FT)です。ファイバースコープを使い、卵管の内側から狭くなった部分を広げることで、通過性の改善を目指します。この手術は、高い技術と専用機器を必要とするため、全国でも限られた施設のみで実施されています。手術は静脈麻酔下で行う日帰り外来手術で、数時間の滞在で終了します。お体への負担も比較的少なく、傷跡が残ることはほとんどありません。
当院では、土日祝日を含めて毎日手術に対応しており、患者さまのご予定に合わせたスケジュール調整も可能です。
FT後は、精液所見などによって異なりますが、自然妊娠の可能性が期待できる場合もあります。この手術には健康保険が適用され、高額療養費制度の対象となるため、経済的な不安がある方もご安心ください。
手術がうまくいけば、(精液所見にもよりますが)その後の自然妊娠も期待できます。子宮卵管造影で卵管が閉塞・狭窄と診断された方は、ぜひお気軽にご相談ください。 また、卵管鏡下卵管形成術(FT)は健康保険が適用されますが、保険点数が高いため、高額療養費制度の対象となっています。
リプロダクションクリニックの
FT手術に関する
ビデオ論文の解説動画は
こちらをご覧ください
費用について
カウンセリングについて
各種カウンセリングを実施しています。
詳しくは当院までお問い合わせください。
遺伝カウンセリング

妊娠・出産への不安を
やわらげ、
納得のいく治療選択を
支援します
当院では、遺伝性疾患のリスクがある方や、そのご家族の方に対し、ご自身の意思で安心して治療を選択できるようお手伝いしています。臨床遺伝学的な診断や医学的見地に基づき、適切かつ分かりやすい情報をご提供し、患者さまが納得して判断できる環境づくりに努めています。妊娠や出産に対するご不安を少しでも軽減できるよう、一人ひとりの状況に寄り添いながら、丁寧に対応させていただきます。
主な相談内容
- 遺伝が関係する不妊について知りたい
- 精巣精子使用や顕微授精した場合の妊娠、胎児の遺伝的要因について聞きたい
- 私や家族の病気は、子どもに遺伝するのか知りたい
- 高齢妊娠と遺伝についての関係を知りたい
- 新型出生前診断(NIPT)について知りたい
- これまでの妊娠歴から、次の妊娠が心配なので相談したい
担当医 | 澤井 英明 (兵庫医科大学病院) |
---|---|
専門分野 | 出生前診断、臨床遺伝学 |
主な資格 | 日本生殖医学会認定 生殖医療専門医 日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医 日本人類遺伝学会認定 臨床細胞遺伝学認定士・指導士 臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医・指導医 |
予約方法 | お電話、または診察室(医師)・処置室(看護師)でお申込みください |
費用 | 5,500円(税込)/30分 |
対象 | 当院通院中の患者さま |
日時(予約制) | 原則は毎月最終土曜日 |
心理カウンセリング(オンライン)

少しでも心が楽になるように
心理カウンセリングを
ご利用ください
リプロダクションクリニックでは、治療や妊娠に対する不安、将来への迷いなど、さまざまなお気持ちに寄り添う心理カウンセリングを行っています。不妊治療中は、身体だけでなく心にも大きな負担がかかることがあります。少しでも安心して治療に向き合っていただけるよう、専門のカウンセラーが丁寧にお話を伺います。
ひとりで抱え込まず、どんなことでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
主な相談内容
- 治療がうまくいかず、どうしたらいいのか、やり場のない気持ちを感じている
- 自分が本当に子どもを持っていいのか、分からなくなることがある
- 夫や妻、パートナーとの気持ちの温度差が気になる
- 仕事との両立が負担である
- 以前と比べ、周りの人とのコミュニケーションが難しくなった
- 自分自身に自信が持てなくなってきた
担当医 | 菅谷典恵 |
---|---|
資格 | 日本生殖心理学会認定 生殖心理カウンセラー 日本生殖心理学会認定 がん・生殖医療専門心理士 (財)日本臨床心理士資格認定協会認定 臨床心理士(20311)、公認心理師(13199) |
予約方法 | 受付窓口、もしくはお電話にてお申込みください |
費用 | 6,600円(税込)/50分 |
ART相談

不妊治療中の不安や
気になることは
なんでもお聞かせください
不妊治療中は、内診・注射・採卵などのたびに、不安や緊張、戸惑いを感じたり、期待と不安をくり返したりすることもあるかとおもいます。こうした状況が長期間続き、気づけばストレスを抱えている方も少なくありません。
リプロダクションクリニック大阪院では、不妊治療によるご不安や気になることなどについて、ご相談をお受けしております。相談を通して検査や治療への理解が深まり、納得できれば、ストレスの軽減につながります。どんなことでも結構ですので、お気軽にご相談にいらしてください。
主な相談内容
- 治療を受ける前に相談したい
- これからどんな検査や治療をしていくのか聞きたい
- 納得したうえで、治療を受けたい
- 先生には直接聞きにくいので、相談にのってほしい
- 治療をステップアップしたほうがいいのか悩んでいる
- 検査や治療が怖いと思っている
日時(予約制) | 水・金・土・日曜日 |
---|---|
予約方法 | お電話、または診察室(医師)・処置室(看護師)でお申込みください |
費用 | 3,300円(税込)/50分 |
対象 | 当院通院中の患者さま |
※表示金額は全て税込みです