卵子活性化療法~AOA~
2種の卵子活性化
当院では、ICSI(顕微授精)を行っても受精が確認できない、または受精率が低い場合に、「卵子活性化(AOA: Artificial Oocyte Activation)」という方法をご提案することがあります。
AOAは、受精の過程でうまく進まない可能性がある場合に、卵子に人工的な刺激を与えることで、受精の成立を促すことを目的とした補助技術です。
当院では、AOAとして2つの方法を取り入れています。ひとつはカルシウムイオノフォア(A23187)を使用する方法、もうひとつは塩化ストロンチウムを使った方法です。
いずれも同じ目的で行われる処置ですが、現在のところ、どちらの方法がどのような患者さまにより適しているかについては明確な基準がありません。そのため、これまでの治療歴や採卵回数などを考慮しながら、より適した方法を選択しています。
当院内での実績では、カルシウムイオノフォアを用いた場合のほうが、わずかに良好な結果が得られる傾向があります。そのため、原則としてこちらを第一選択としています。
一方で、カルシウムイオノフォアで十分な効果が得られなかった場合には、塩化ストロンチウムを使用することで結果が改善するケースも確認されており、状況に応じて適切に切り替えを行っています。