胚移植培養液<br>(Embryo Glue、GM-CSF)|リプロダクションクリニック東京|東京都港区の不妊治療専門クリニック

胚移植培養液
(Embryo Glue、GM-CSF)
MEDIUM

胚移植培養液(Embryo Glue、GM-CSF)

Embryo Glue(高濃度ヒアルロン酸含有培養液)

エンブリオグルーは、ヒアルロン酸を高濃度で含有した移植用培養液です。ヒアルロン酸は本来、子宮内膜で自然に分泌されている成分で、胚の接着・着床を促進する役割を持ちます。エンブリオグルーの主な目的は、胚が子宮内膜にしっかりと“とどまる”ことをサポートし、着床率を向上させることです。

この培養液には以下のような特長があります:

・高粘性のヒアルロン酸により、胚が子宮内膜に“のり”のように接着されやすくなる
・胚の凍結・融解過程でのダメージを緩和する効果があるとされる(保護効果)
・培養液の構成が子宮内環境に近く、移植時の胚にとってストレスの少ない環境を再現
・メタアナリシスでは、エンブリオグルー使用群で妊娠率が約1.4倍に上昇したとの報告があり、特に反復着床不成功例で有効性が示されています。 ・安全性についても十分に確立されており、胚や子宮内膜への有害影響は報告されていません。

GM-CSF含有培養液(SAGE 1-Step GM-CSF)

GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)は、もともと白血球の分化を促すサイトカインですが、生殖医療の分野では「着床率や妊娠継続率の向上」に寄与することが明らかになりつつあります。当院では、SAGE社製の「SAGE 1-Step GM-CSF培養液」を、凍結融解胚移植時の回復培養およびローディング(胚移植時)に使用することで、妊娠率の改善を目指しています。

GM-CSFには以下のような作用があるとされています:

・胚のアポトーシス(細胞死)を抑制し、細胞の健全な発育を促進
・胚盤胞のICM(内部細胞塊)やTE(栄養外胚葉)の細胞数を増加させる
・着床に不可欠な免疫寛容を担うTreg細胞(制御性T細胞)を誘導し、母体による胚排除を防ぐ
・子宮内膜の厚みや構造を整えることで着床環境を改善
・反復流産歴のある患者において流産率を低下させる可能性